[第二回]MPaってなに? 単位変換と圧力について解説!

保安管理技術

法令でも保安管理でも出てくるけど、MPaってなんだろう?

圧力についての問題が出てきてるけど、圧力のイメージわかないなぁ

今回は圧力とはなんぞや!っていうことと、何で圧力が出てきてるんや!っていうことを解説します。

MPa(メガパスカル)は高圧ガスには欠かせない単位です。こちらを学ぶことで、なぜ高圧ガスには検査や基準があるのかがわかるようになります。

今回書いていること

・MPaのMとPaは別々である

・Mは0(ゼロ)を6個分、Paは圧力の単位、を表している

みだし一つ目でMについて、

二つ目で圧力のイメージと計算について、

三つ目でガスと圧力について書いています。

Mは0が6個分!

1kmは何mでしょうか?

普段意識しないかもしれませんが、k(キロ)には0が3個分という意味があります。

なので、1kmは1000mとなります。このような0が何個分というのは様々あり、そのうちの一つがM(メガ)です。

Mは0が6個分という意味があります。従って、1Mは1000000であり、1MPaは1000000Paということになります。

このように、MPaのMとPaは別々に考える必要があるのです。

また、kmのmが距離の単位のように、圧力にも単位があります。それが Pa(パスカル)です。圧力のイメージや計算は次の章で行います。

ここではMの扱いを、過去問に似た問題で確認してみましょう。

例題

0.1MPaは何kPaですか?

Mは0を6個分、kは0を3個分という意味があります。

0.1は、1から0を1個減らした数です。

そして、0.1Mは0.1に0を6個つけた数、100000になります。 ➡️ 0.1M=100000

これらより0.1MPaは100kPaとなります。

A. 0.1MPa=100kPa

ここまでは0が何個分つくかという話をしましたが、0を減らすものもあります。

日常でよく使うものは、mmやmLのm(ミリ)です。他にもcmのc(センチ)もあります。

ミリは0を3個、センチは0を2個減らすという意味です。

なので100cm=1mであり、50cm=0.5mとなるのです。

これらは様々あり、SI接頭辞という単位です。色々あるため、気になる方は「SI接頭辞」で調べてみてください。また、天気予報で出てくるhPa(ヘクトパスカル)のへクトは、0が2個分を意味しています。

ひとまず、二種販ではメガとキロだけ理解していれば大丈夫です。

圧力はシャーペンカチカチッ!

ここでは圧力について解説します。ガスと圧力の関係はこの次の章に行います。

ここからは物理のお話です。

「圧力」という文字からわかるように、圧力は、重力や摩擦力などの力の一つです。

そして圧力がどのような力かというと、「1m2の面を押す力」のことをいいます。

力の単位はN(ニュートン)を使います。

図のように、同じ力で押して面積が2倍になれば圧力は2分の1になります。同じように面積3倍になれば圧力は3分の1となります。このように、同じ力でも、面積が違えばかかる圧力が変わります。

文字だけでは、ピンときませんよね。

そこで、日常を例にしてみましょう。シャーペンの芯を出そうと思ったときに、間違って芯が出る方からカチカチッ!とするとめちゃくちゃ痛いですよね。勉強のやる気がなくなりますよね。

指にあたる面積が変わり、指にかかる圧力が変わるため、この現象は起こります。ピンときましたか? ピンとこない人は、やってみて圧力を感じてください。

これらの「面積が変わることで圧力も変わる」ことを式にすると、以下のようになります。

公式!

圧力[Pa] = 面を垂直におす力[N] ÷ 力がはたらく面積 [m²]

この式より、「Pa」と「N/m2」は、どちらの単位も同じ意味となる。どっちを使っても良い。

面積1m2当たり、1Nの垂直な力が面に作用しているとき、その面における圧力は1Paとなる。

力は面積が大きくなることで、分散して弱い圧力になるといった感じですね。

ではこの内容を、過去問に似た内容で確認しましょう。

単位が変わっていることに気をつけてください。

例題

面積1cm2当たり、1Nの垂直な力が面に作用しているとき、その面における圧力は何Paとなるか?

1cm2となっているため、単位をm2に変換する必要があります。

どのような問題を解くときも同じですが、公式を使うときには、公式通りの単位に直さないと使えません。

下図のように、1cm2は1cm×1cmからなっています。これをmにしてあげると、1cm=0.01mなため

0.01m×0.01m=0.0001m2となります。

ここで公式に当てはめることができます。

1N÷0.0001m2=10000Pa

となります。

面積が小さくなることで、圧力が大きくなっていることがわかりますね。

A. 10000Pa(10kPa)

0.1は1/10(10分の1)とも表せます。

1÷1/10=1×10/1

よって1÷0.1=10となります。

0.1の部分が、0.01(1/100)になれば100、0.001(1/1000)になれば1000となります。地道にずらしていきましょう。

この章の最後に、「パスカルってどんな大きさなの? 」と思われる方もいるかもしれないので計算してみました。

去年発売されたiPhone13を持った時の圧力です。

計算問題でこんな問題は出ないため、気になる方だけ見てみてください。

2021年9月24日に発売されたiPhone13。

高さ0.1467m、幅0.0715m、重さ0.173kg。

重さは重力を受けることで

0.173×9.8(重力加速度)=1.6954N

の力の大きさとなる。

面積は

0.1467×0.0715=0.01048905㎥

これらより圧力は

1.6954÷0.01048905=161.635229

約161 Paとなります。

またiPhone13の上に、おもり0.89731122kgをのせると1k Paになります。

ざっくり1kgのおもりを乗せてあげると、だいたい1k Paになるといった感じですね。

そして1M Paを味わいたければ、おもり1kgであったところに0を3個つけてあげればできますね。

風船に高圧ガスは入れれない!

最後に、ガスと圧力の関係です。

タイトルにもあるように、風船に高圧ガスを入れると割れてしまうため入れることができません。

それは風船の中から高い圧力を受けており、その力に風船が耐えきれないからです。

このような「脆いもの」に高圧ガスをいれるとガスが至る所で漏れてしまいます。ガス事故が起こり続けます。

この「脆いもの」を作らないよう規制をしたり、検査の基準を設けているのが高圧法や液石法になります。プロパンガスであれば、高い圧力に耐えれる入れ物(容器)が必要がです。

赤矢印は圧力

実際に私は仕事で、ガスの配管が圧力に耐えれるかを家庭で検査をしています。

また、家庭用のガス器具は、高圧なガスに耐えられず壊れてしまいます。そのため、ボンベとガスメーターの間に、調整器というものを挟んで圧力を落としています。

これらのようにガスと圧力は切り離せない関係です。そのため二種販でも圧力の話がよく出てきます。なので、この記事で圧力のことがイメージできればいいな、と思います。

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